科学的に証明された、笑顔が健康にもたらすプラス効果12こ

生きていくのは大変です。仕事上の悩み、人間関係の悩み等、多くのストレスにさらされてしまいます。ストレスから心や体の病気になる方もいらっしゃいます。しかし、残念ながらストレスを無くすことはできず、上手に付き合っていくしかないのです。

逃れることのできないストレスと上手に付き合い、健康を保つカギが「笑顔」です。昔からよく『笑う門に福来たる』といいますが、実はこれは科学的にも実証されていること。では笑顔が健康にもたらす『福』(プラス効果)はどのようなものなのでしょうか?

笑顔が健康にもたらす12の効果

笑顔が健康にもたらすプラス効果を、科学的に証明されていることに絞ってまとめてみました。

ストレスを軽減させる

笑うことの健康への一番大切な効果が、ストレスを軽減させることです。最近の研究から、笑うことが脳に作用して、「エンドルフィン」、「セロトニン」等の幸福感やリラックスをもたらすホルモンの分泌を促し、逆に「コルチゾール」等のストレスホルモンを減らすことがわかってきました。

「セロトニン」は、精神の安定に作用します。「セロトニン」の減少と「うつ病」の関連が取りざたされている、心の健康に大切なホルモンです。

「エンドルフィン」は脳内麻薬とも呼ばれます。鎮痛作用はモルヒネの6.5倍もあり、 強い幸福感をもたらします。

「コルチゾール」等のストレスホルモンは、人がストレスを感じた時に分泌されるもので、ストレス評価の指標として、研究上用いられています。笑うことでストレスホルモンが減ることは、ストレスが軽減されていることを示すものです。

ストレスが軽減されれば、うつ病、心因性腰痛、心臓病等のストレスが要因とされる病気を予防できます。また、リラックスする事で、緊張からくる頭痛や肩こりを改善します。

自律神経が整える

自律神経の働きがうまく作用していないと、病気ではないのに心身の不調に悩まされます。笑うことは、副交感神経に作用するといわれています。日中は交感神経が優位ですが、副交感神経を刺激することで、自律神経の切り替えを鍛えて、バランスを整えます。

脳機能が活性化する

笑うと、脳波のα波とβ波が増え、δ波とθ波が減少します。α波はリラックス時に現れます。思考時にはβ波が現れ、脳機能低下時にはδ波、θ波が観測されます。笑っている脳の状態は、リラックスしたうえで、活発に働いているといえます。もちろん集中力もアップします。

脳内リセットができる

笑うことでストレスの伝達をひとまず遮断し、脳内をリセットできます。人の体を正常に保つための神経系、内分泌系、免疫系の三つの連携は、ストレスから乱れることがあります。脳内リセットは、三つの連携を正常にします。

脳の健康、認知症予防に役立つ

高ストレス、高コルチゾールの状態が長く続けば、脳の神経にダメージを与えます。海馬の萎縮、認知症も心配されます。笑うことが、「ストレス」や「コルチゾール」の低下に効果があるので、脳の健康に役立つのです。また、笑うことが、脳への血流量を増加させる事も確認されています。血流が増加すれば、脳に必要な酸素や栄養素が供給され、脳の状態は良好に保たれます。

NK細胞を活性化して病気を予防する

実験により、笑うことはNK細胞を活性化させることが確認されています。NK細胞は、癌細胞や病原に感染した細胞を発見して攻撃排除するリンパ球です。NK細胞が活性化することで、免疫が正常に働き、病気に対抗できます。

血糖値の上昇を防ぐ

笑うことで「コルチゾール」のようなストレスホルモンが減少すると述べましたが、「コルチゾール」は血糖値を上げてしまいます。「コルチゾール」を減少させることは、過剰な血糖値上昇が抑制され、糖尿病予防に効果があります。

ダイエットに役立つ

「コルチゾール」が高いと、筋肉の合成を抑制し、分解を促進してしまいます。筋肉は丈夫な体を支えるものですが、「基礎代謝量」にも関係しています。筋肉量が多いほど「基礎代謝量」が増えるので、ダイエットを目指す方は、笑うことで「コルチゾール」を抑制し、筋肉量の低下を防ぐことが大切です。また、大笑いすることにより、腹筋や助間筋等を動かし、筋肉を増やすのに貢献します。

骨粗しょう症の予防に役立つ

多くの高齢女性が悩むことになるのが、骨粗しょう症です。「コルチゾール」は骨形成を担う骨芽細胞機能を低下させ、カルシウム吸収を阻害し、骨形成に役立つ「エストロゲン」という女性ホルモンの作用を妨げます。笑うことは、「コルチゾール」を低下させて、健康な骨を保つのに役立ちます。

美肌に役立つ

「コルチゾール」が作用を阻害する「エストロゲン」は、美肌やバストアップに役立ちます。笑うことで「コルチゾール」を減少させて、女性美を保ちましょう。また、笑顔は、自律神経の働きを正常にしてくれることを述べましたが、自律神経が正常であれば、新陳代謝がきちんと働いて、デトックスにも効果があります。美肌には欠かせません。

関節リウマチの症状を緩和する

関節リウマチは女性に多い病気です。実験では、笑うことにより、患者の体内で炎症を促進させる「インターロイキン-6」が減少し、炎症を抑制する「インターロイキン-1レセプター・アンタゴニスト」が増加する事を確認しています。笑うことで炎症が抑制され、痛みが改善します。

アレルギーが改善する

アレルギー反応は、「IgE抗体」という物質が関わっています。血液中のIgE値が高いとアレルギー反応が起きやすく、低ければ反応は起きにくくなります。笑うことでリラックスし、気持ちが安定すると、IgE値を低く抑えられます。アトピーや喘息等の予防や改善に役立ちます。

「作り笑い」でも、十分「笑い」の効果が認められる

「笑うこと」が健康に及ぼしてくれる12の効果をあげてみました。生活の中で、少しでも笑顔を心がけてみましょう。好きなことをやって笑顔になるのもいいですし、手軽にテレビの楽しい番組を見て笑うのもいいです。

でも、なかなか笑えないという方もいらっしゃいます。安心してください。研究によれば、「作り笑い」でも、十分「笑い」の効果が認められるそうです。笑顔を作るために筋肉を動かせば、その刺激が脳に伝わります。脳は「笑い」を認識して、働いてくれるのです。意識して笑顔をうかべてみましょう。

最後に一つだけ重たい話

+① 笑顔は生存の「カギ」です。

ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』という書物があります。心理学者の著者が、第二次世界大戦中、ナチスのユダヤ人強制収容所に入れられた時の体験を書いたものです。フランクルは冷静に学者の目から、極限状態に置かれた人々を観察しています。人々は、重労働、食料不足、いつ自分の番が来るかもしれない「ガス室送り」という死の恐怖に直面しました。ユダヤ人強制収容所のストレスは、現代日本で普通に暮らす人々からは想像できない途方もなく強いものでした。多くの方が、「ガス室送り」の前に命を落としてしまいました。絶望が精神を病ませ、肉体の抵抗力を失くして、死に至らしめたのです。

それでも生き抜いて、最後には解放された人達がいます。なぜ、彼等は生き抜くことができたのでしょうか。フランクルは、「ユーモア」の効果を書いています。「ユーモア」は笑いを人々にもたらし、心を明るくします。「笑顔」は人が生き抜く武器なのです。笑うことで心を元気にして、厳しい現実の中でも自分を保ち、「いつか助かる」という希望を見失わずに済んだのです。

どんなにつらい絶望的な状況の中でも、笑うことが心身を強くしてくれ、前向きな希望を持つことができます。生き抜く上で大切な「カギ」が「笑顔」なのです。このことは、忘れたくありません。